
増殖と、根元から大きな葉を展開させるための再スタート
斑入りマドカズラを、かなり思い切って下の方から切り戻しました。
今回の目的は二つあります。
一つは、切った茎を使って株を増やすこと。
もう一つは、傷んだ葉をカットして株姿を一度リセットし、根元から新しい芽をポールへ登らせて、再び大きな葉を展開させることです。

斑入りの葉は傷みやすいため、これまで葉の茶色い部分も「斑入りだから仕方がない」と思っていました。
しかし、SNSやネットには綺麗に健康に育っている葉がたくさんあります。
葉の傷みは斑の弱さだけではなく、根の状態や吸水不足、栽培環境も大きく関係していたのかもしれません。
今回は、実際に行った切り戻しと株分けの方法、成長点の見極め方、そして四つの発根方法を比較する実験について記録します。
今回、かなり下から切った理由
これまでの株はポールに沿って伸びていたものの、葉が傷み、茎の向きも少し乱れていました。
このまま上だけを伸ばしても、根元からきれいに仕立て直すのは難しそうでした。
そこで今回は、悪くなった葉だけを取り除くのではなく、株全体を一度大きく切り戻すことにしました。
できるだけ低い位置に残した成長点から新芽を出させ、その新芽を最初からポールへ誘引していく狙いです。
マドカズラはポールへしっかり登らせると、上に進むにつれて葉が大きくなりやすくなります。
そのため、単に株を小さくするのではなく、
- 根元から姿を作り直す
- 新しい茎をポールへ密着させる
- 節から出る気根をポールへ誘導する
- 将来的に大きな葉を展開させる
というところまで考えて切り戻しました。
葉の傷みは、斑入りだけが原因ではなかった
斑入りの葉は、緑色の部分が少ないほど光合成できる面積も少なくなります。
特に白斑の多い葉は、強い光や乾燥、急激な環境変化で傷みやすい傾向があります。
今回も最初は、葉が茶色くなるのは斑入り個体だからだと思っていました。
ところが鉢から抜いて確認すると、根量がかなり少なく、株の大きさに対して十分な根が張っていませんでした。
根が少ない状態では、水分や養分を安定して吸収しにくくなります。

そのため今回の葉の傷みは、
- 斑入り葉そのものの弱さ
- 根量不足
- 水分供給の不安定さ
- ポールや用土内の乾湿差
- 強い光や乾燥
などが重なっていた可能性があります。
「斑入りだから傷む」と決めつけず、葉だけでなく根も確認することが大切だと感じました。
早めに発見できてよかったです。
カット前に成長点を確認する
マドカズラを増やす時に最も重要なのが、節と成長点を残すことです。
茎を適当な長さで切っても、成長点を含む節がなければ、新しい芽は基本的に出てきません。
成長点は、葉柄の付け根や節の周辺にある小さな膨らみです。
モンステラの増殖、茎伏せのやり方でカットする場所を慎重にカットします。

見た目は、
- 茎の表面が少し盛り上がっている
- 小さな突起がある
- 三角形や楕円形の線が見える
- 薄い緑や茶色の芽のような部分がある
といった形をしています。
すでに少し動き始めている成長点なら分かりやすいですが、休眠している芽は茎と同化して見えにくいこともあります。
大体節の少し上に成長点があるので節をよく見ることで発見しやすくなると思います。
今回は一つずつ茎を確認し、成長点が各カット苗に残るように切り分けました。

成長点の上を意識してカット
今回の切り分けでは、新芽が出る成長点を確認し、その成長点を傷付けないように上側をカットしました。
ただし、「成長点のすぐ上を切る」というよりも、節全体が確実に残るように少し余裕を持たせています。
切り口が近すぎると、乾燥や腐敗が成長点まで進む可能性があります。
そのため、
- 成長点を含む節を必ず残す
- 成長点へ刃を当てない
- 切り口から少し距離を取る
- 可能であれば気根も残す
ことを意識しました。
刃物は切れ味の良いものを使い、使用前に消毒しています。
切れにくい刃で無理に押し切ると、茎が潰れて傷口が大きくなるため注意が必要です。

切り分けた茎は四つの方法で発根を比較
せっかく複数の節に分けられたので、今回は発根方法の違いも比較してみることにしました。
試したのは、次の四つです。
- 水差し
- 水苔
- 無機質用土
- ココチップ配合の用土
同じ株から切り分けた茎を、できるだけ近い環境で管理し、どの方法が早く安定して発根するか観察していきます。
カットした後水を張ったボールにつけて30分置いてあく抜きします
ハサミで切った場合はカッターやナイフで切り口を綺麗にします、ハサミだと2枚の刃で潰して切るような感じになり
組織が潰れ腐りやすくなると聞いたことがあるので今回は消毒したカッターで切り口を整えました
さし木や生け花のように切り口を大きくするために斜めに整える必要はありません、切り口から水を吸って欲しい訳ではなく根をしっかり生やす方がメリットがあります。
カットした面積が大きいと乾くのに時間がかかり、菌が入ったりして腐るリスクが高いと考えています。
1.水差し

水差しは、節や気根を水に浸けて発根を待つ方法です。
一番のメリットは、根の状態を直接確認できること。
発根の始まりや根の伸び、茎の腐敗などに気付きやすいため、初心者でも管理しやすい方法だと思います。
一方で、水中で出た根は用土内で育った根と性質が少し異なります。
十分に発根した後は用土へ植え替える必要があり、環境が変わった直後に根が一時的に傷むこともあります。
管理では、
- 水を濁らせない、濁ったら交換
- メネデールを水で薄めて使用
- 水位は深くしないで口の大きい入れ物を使用
- 強い光を当てない
ことを意識します。

2.水苔

水苔は保水性が高く、節の周囲を均等に湿らせやすい方法です。
乾燥を防ぎながら空気も含められるため、茎伏せや発根管理ではよく使われます。
ただし、水苔を強く詰めすぎたり、常に水浸しにしたりすると、通気性が落ちて腐敗しやすくなります。
今回は水苔を軽く絞り、節が完全に埋まりすぎない程度に置きました。
成長点は上向き、または横向きにして、水苔の中へ深く埋めないようにしています。
3.無機質用土

無機質用土は、粒状の資材を中心にした通気性の高い用土です。
根の周囲に空気を確保しやすく、過湿による腐敗を避けやすいのが利点です。
その一方で、水苔よりも乾燥しやすいため、根がまだない茎では水切れに注意が必要です。
表面が乾いていても内部に水分が残っていることがあるため、見た目だけで頻繁に水を与えないようにします。
今回は日向土100%でやってみます。
赤玉土などの用土と比べて保水力は無いので水やりは多くなります。
4.ベラボン配合用土

今回は、バーク系の素材と無機質な粒を組み合わせた、ネコチップ風の用土でも試しています。
有機質と無機質を混ぜることで、
- 通気性
- 保水性
- 根の固定
- 植え替え後の継続管理
のバランスを狙いました。
うまく発根すれば、そのまま少し長く育てやすい方法です。
ただし、大きなバークの隙間で茎が動くと、出始めた根が傷みやすくなります。
茎を安定させつつ、節を深く埋めすぎないようにすることが重要です。
どの方法が一番発根するのか
現時点では、どの方法が最も良いかはまだ分かりません。
発根の早さだけでなく、
- 腐敗の起こりにくさ
- 根の本数
- 根の太さ
- 新芽が動くまでの期間
- 植え替え後の安定性
まで見て比較する予定です。
水差しは観察しやすく、水苔は湿度を保ちやすい。
無機質用土は通気性が高く、ネコチップ風用土は発根後もそのまま育てやすい。
それぞれに長所と短所があるため、「最も早く発根した方法」と「最も育てやすかった方法」は別になるかもしれません。
カットした場所や気根の有無、葉が残っているかいないかでも変わってくるので今回だけではサンプル少な過ぎるので
『これが正解』と答えは出ませんが管理のしやすさなどは参考になるかなって思います。
元株からは成長点が動き始めた
かなり下から切り戻したため、元株がそのまま止まってしまわないか少し心配でした。
しかし、残していた節の成長点から新しい芽が動き始めました。
切り戻した後の元株は、一時的にはかなり寂しい姿になります。
それでも根が生きていて、節に成長点が残っていれば、再び新芽を出す可能性があります。
今回、実際に成長点が膨らみ始めたことで、根元から仕立て直すための第一段階は成功したように感じています。
ここから新芽をポールへ密着させ、成長方向を整えていきます。

元株をきれいに仕立て直すポイント
新芽が柔らかいうちにポールへ誘引する
新しい茎は、若いうちは比較的曲げやすいです。
ただし、無理に角度を変えると折れるため、一度に強く固定せず、成長に合わせて少しずつポールへ寄せていきます。
固定する時は、茎へ食い込まないようにゆとりを持たせます。
茎の背面をポールへ向ける
マドカズラは、気根が出る側をポールへ向けると活着しやすくなります。
葉の向きだけを見て固定するのではなく、節と気根の位置を確認しながら誘引します。
気根をポールへ触れさせる
気根がポールへ入り込むと、株が支えを認識しやすくなり、葉の大型化にもつながります。
気根を切らずに、可能な範囲でポールへ誘導します。
ポールを乾かしすぎない
ポールが常にびしょびしょだと根腐れやカビの原因になりますが、完全に乾き続けると気根が入り込みにくくなります。
用土との乾湿差を見ながら、ポール内部も適度に湿らせます。
光の方向を固定する
鉢の向きを頻繁に変えると、葉柄が光を追ってねじれ、株姿が乱れやすくなります。
正面を決めたら、できるだけ同じ方向から光を当てて育てます。
株分けと増殖で注意したいこと
斑入り個体を増やす場合、成長点にどの程度の緑と白が含まれているかも重要です。
今回は無かったですが、茎がほぼ白だけの部分から出た芽は、葉緑素が少なく、長期的に育たない可能性があります。
反対に、緑だけの成長点からは斑が減った芽が出ることもあります。
カットする際は、茎の色だけで将来の斑を完全に予測することはできませんが、
- 成長点周辺に緑が残っているか
- 茎に白と緑の両方が入っているか
- 元の葉が極端な全白ではないか
を一つの目安にします。
また、葉が付いたカット苗でも、根がない状態では葉から水分が失われ続けます。
大きく傷んだ葉や蒸散量の多い葉は、状況によって一部整理した方が茎への負担を減らせることもあります。
ただし、健康な緑色部分は光合成に使えるため、すべての葉を急いで切る必要はありません。

カット後の管理
カット苗は直射日光を避け、明るい場所で管理します。
根がない間は強い光を当てても吸水が追い付かず、葉が傷みやすくなります。
また、高湿度は乾燥防止に役立ちますが、密閉したまま蒸らすと腐敗しやすくなります。
管理では、
- 明るい日陰
- 暖かい温度
- 適度な湿度
- 空気の動き
- 過湿にしないこと
を意識します。
切り口が柔らかくなる、黒く広がる、嫌な臭いが出る場合は腐敗の可能性があります。
腐った部分を清潔な刃物で健康な組織まで切り戻し、再び乾かしてから管理し直しする予定です。
発根と新芽が出るまでの期間
環境や節の状態によって大きく変わりますが、発根や新芽の動きには数週間から数か月かかることがあります。
葉が付いている苗が必ず早いとは限らず、葉のない節が先に動くこともあります。
変化が見えないからといって、すぐに掘り返したり、管理方法を次々に変更したりすると、かえって株へ負担をかけます。
茎が硬く、変色や腐敗がなければ、しばらく待つことも大切です。
まとめ
今回は、傷んでいた斑入りマドカズラを増殖しながら、根元からきれいに仕立て直すために、かなり低い位置から切り戻しました。
葉の傷みは斑入り特有の弱さだけだと思っていましたが、実際には根がほとんど育っていなかったことも分かりました。
見えている葉だけで判断せず、根や節、成長点まで確認することの大切さを感じています。
切り分けた茎は、
- 水差し
- 水苔
- 無機質用土
- ネコチップ風用土
の四つに分け、発根方法の違いを比較しています。
元株も残していた成長点から新芽が動き始めました。
ここから再びポールへ登らせ、どこまで葉を大きくできるのか。
それぞれのカット苗がどの方法で最も早く、安定して発根するのかも、今後の成長記録として追っていきます。
