Instagramなどで海外で育つ大きなモンステラを見て憧れた。
天井近くまで伸びた茎に、いくつもの大きな葉が広がっている。葉には深い切れ込みと穴が入り、一株だけで空間の印象を変えてしまうほどの存在感があった。
その迫力に、単純に惹かれた。
モンステラは、新しい葉を展開するたびに少しずつ姿を変える。穴の数も、切れ込みの深さも、斑の入り方も、開いてみるまで完全には分からない。
次は、どんな葉が出るのか。
まだ見たことのない一枚を待つ時間も、この植物の魅力だと思う。
モンステラについて
モンステラは、サトイモ科モンステラ属の植物。
メキシコから熱帯アメリカにかけて分布し、多くは木の幹などを支えにしながら上へ伸びていく。茎の節から気根を伸ばし、周囲のものへ張り付きながら成長する姿は、室内で鉢植えとして見る姿とは少し違う。
モンステラといえば、葉に開く穴や深い切れ込みが印象的だ。
なぜこのような葉になるのかについては、下の葉へ光を通すため、強い風や雨の影響を受けにくくするためなど、いくつかの説がある。
幼い株では切れ込みのない葉を出していても、成長して支柱へ登るにつれて葉が大きくなり、穴や切れ込みが増えていくことがある。
同じ株でも、育つ段階によって姿が大きく変わる。
その変化を追えることも、モンステラを育てる面白さの一つだと思う。
名前と流通について
モンステラには、種としての名前、栽培品種名、斑の特徴を表す呼び方、販売時の流通名など、さまざまな名前が使われている。
たとえば、Monstera deliciosa は種を示す学名。
一方で、「ホワイトモンスター」のように、特定の斑入り株や系統を示す流通名として扱われる名前もある。
マドカズラと呼ばれている Monstera adansonii は、デリシオーサとは別の種だ。同じモンステラ属でも、葉の大きさや穴の形、成長の仕方にはかなり違いがある。
また、「ボルシギアナ」という名前も園芸流通ではよく使われている。
現在の植物分類では、独立した種や正式な変種というより、Monstera deliciosa の範囲として扱われることが多い。それでも流通上は、節間が長く、つる状に伸びやすいタイプを区別するために「ボルシギアナ」と呼ぶことがある。
そのため自分の記録では、植物分類上の扱いと、購入時に付いていた流通名の両方を残すようにしている。
名前を正しいか間違いかだけで切り捨てるのではなく、その株がどの名前で流通し、どのような経路で手元に来たのかも、一つの情報として残しておきたい。
モンステラが好きな理由
大きい葉、深い切り込み、様々な斑の表現。
海外で育つ巨大なモンステラを見て、自分もいつか、あれほど大きな葉を展開させてみたいと思った。
ただ、育てる株が増えるにつれて、好きな理由も少しずつ広がっていった。
大きく暴れるデリシオーサの迫力も好きだけれど、節間が短く、まとまった姿で育つモンステラにも惹かれる。
マドカズラのように小さな葉を次々と展開する種類も面白い。葉の中に細かな穴が並び、そこへ斑が重なると、一枚ごとの違いがより強く見える。
斑入り株では、次の葉がどの程度白くなるのか、緑が戻るのか、模様が細かく散るのかも、開くまで分からない。
切れ込みの増え方も、穴の数も、斑の位置も、毎回少しずつ違う。
同じ株から出た葉なのに、同じものは一枚もない。
その予測できなさは、アグラオネマやほかの斑入り植物を好きな理由とも重なっている。
結局のところ、大型種も小型種も、無地も斑入りも含めて、モンステラという属そのものが好きなのだと思う。
手元にあるモンステラ
現在は、いくつかの種類や流通名のモンステラを育てている。
モンステラ・デリシオーサ

モンステラを代表する種。
成熟するにつれて葉が大きくなり、深い切れ込みや穴が増えていく。最初に憧れた海外の巨大な株も、おそらくこの姿に近かったのだと思う。
今でも、大きな一枚を目指したいと思わせてくれる存在だ。
デリシオーサの斑入り株

白、クリーム、黄色など、株によって斑の色や入り方が異なる。
タイコンステレーションが有名で選抜株が違った名前販売されてることもある。
同じ株でも葉ごとに模様が変わり、新葉が開くまで完成した姿が分からない。その期待と不安定さが、斑入りモンステラの大きな魅力だと思う。
斑が多ければ必ず良いわけではない。緑とのバランスや、茎から次の葉へどのように斑がつながるかを見ることも面白い。
マドカズラ

一般的にadansoniiと言われる種類。
小ぶりな葉を展開し、葉の縁まで切れ込まず、内側に複数の穴が開く。
大きな葉の迫力とは違い、細い茎と小さな葉が重なっていく姿に軽やかさがある。
また、似た種類が沢山あり、詳しい分類はわからないが、エスケレートやオブリクア、ラニアタなどがある。
マドカズラ斑入り

小さな葉の中に、穴と斑が重なる。
斑の入り方によっては一枚の中にかなり複雑な表情が生まれ、同じ株でも葉ごとの差が大きい。
傷みやすさもあるが、その不安定さを含めて見入ってしまう。
Burle Marx Flame

幼い株では細長くシンプルな葉を展開し、成長すると深く複雑な切れ込みを持つ葉へ変化していく。
今の姿だけでなく、これからどのような形へ変わるのかを想像しながら育てる植物だと思う。
「ボルシギアナ斑入り」
購入時には「ボルシギアナ斑入り」と表示されていた。
現在はデリシオーサの範囲として考えながらも、特徴は出てるので、名前はボルシギアナとして育てているている。
流通名だとアルボとかホワイトタイガー、天津蘭が有名。
育成環境について
モンステラは室内で管理している。
温度はSwitchBotを使ってエアコンを制御し、年間を通して26℃前後を目安に保っている。
湿度はアグラオネマほど厳密には管理しておらず、基本的には部屋の環境に任せている。季節によって湿度は変化するが、現時点では大きな問題なく育っている株が多い。
ただ、購入時に根腐れする確率が高く、水やりや用土について日々試行錯誤しながら育成している。
光は、室内の明るい場所を基本にしている。
暗すぎると成長が遅くなり、葉の大型化や切れ込みの増加も鈍くなりやすい。一方で、室内環境に慣れた株を急に強い直射日光へ出すと、葉焼けすることがある。
そのため、強い光へ移す場合は少しずつ慣らすようにしている。
レースカーテン越しの光や植物用ライトを使いながら、葉の向きや茎の伸び方を見て置き場所を調整している。
支柱へ登らせる
モンステラを大きく育てたいときは、光だけでなく、登るための支えも重要だと感じている。
茎から出る気根は、自然下では木の幹などへ張り付くために使われる。室内でも、ヘゴ支柱やココヤシポールなどへ気根を誘導すると、茎が安定し、葉が大きくなりやすい。
気根は見た目が気になることもあるけれど、基本的には無理に切らず、支柱や用土へ誘導している。
新しい茎が柔らかいうちに支柱へ寄せ、気根が出る側を支柱へ向ける。
葉の向きだけを見て固定すると、気根が支柱と反対側へ伸びてしまうことがあるため、節の向きも確認する。
ただし、強く縛りすぎると成長した茎へ食い込む。
固定具には少し余裕を持たせ、株の成長に合わせて位置を調整している。
用土について
用土は、ねこチップと、赤玉土、日向土にベラボンやパーライトを混ぜた用土を使い分けている。
ねこチップは、粒が大きく、根の周囲に空気を確保しやすい。
現在は新しくねこチップを使用する事は少なくなっている。
自分の環境では上手く育てれていないので、合わないか、使い方が間違っているのかもしれない。
ミックス用土は、ある程度の保水性を持たせながら、排水性も確保しやすい。
植え替えで根腐れすることが多いので、日々配合を変えて自分の環境に合う用土を模索中。
鉢の大きさ、根量、置き場所、季節、水やりの頻度によって、同じ用土でも乾き方は変わるので観察は大事だと思う。
水やりについて
水やりは、決まった曜日ではなく、用土の乾き方を見て行っている。
表面だけでなく、鉢の重さや用土内部の湿り方も確認するし、葉の状態も観察している。
モンステラは水を好む印象がある一方で、根の周囲に水が停滞し続けると調子を崩すことがある。
特に通気性の高い用土は乾きやすいため、水やりの回数が増える。反対に保水性の高い用土では、表面が乾いていても内部に水分が残っていることがある。
用土の乾き方だけで判断せず、実際の植物を見ながら水を与えている。
増やし方について
モンステラは、節を残して茎を切ることで増やせる。
自分が使っている方法は、主に茎伏せ、水差し、挿し木、株分けだ。
茎伏せ
葉のない茎を節ごとに切り分け、横向きに置いて発根と発芽を待つ方法。
一見すると、ただの緑色の茎に見える。それでも節と成長点が生きていれば、そこから新しい芽が動き始める。
複数の株を作りやすい反面、発根や新芽の動きが見えるまで時間がかかることもある。
水差し
節や気根が水へ触れるようにして、発根を待つ方法。
根の状態を直接確認でき、腐敗にも気付きやすい。
ただし、水中で育った根を後から用土へ移すため、植え替え後の管理には少し注意している。
挿し木
葉と節を残した茎を切り取り、水苔や用土などで発根させる方法。
葉が残っているため見た目は安心感があるが、根が少ない状態では葉から水分が失われ続ける。光や湿度を調整しながら、根が出るまで管理する必要がある。
株分け
鉢の中に独立した茎や子株がある場合は、根を確認しながら分ける。
すでに根を持った状態で分けられれば、その後の立ち上がりは比較的早い。
ただし、根が絡み合っていることも多いため、無理に引き離さず、必要に応じて清潔な刃物を使っている。
どの方法にも向き不向きがある。
株の状態や、残したい葉、増やしたい数を見ながら使い分けている。
仕立て直すということ
モンステラは、伸びるほど姿が崩れることもある。
茎が支柱から離れたり、葉の向きがばらついたり、節間が長くなったりする。
そうしたときは、伸びた部分を切って増やしながら、元株を低い位置から作り直すこともある。
せっかく育った株を切るのは、毎回少し迷う。
ただ、切り戻した元株から新芽が出て、再び支柱へ登り始める姿を見ると、仕立て直しも失敗ではなく、次の姿へ進むための作業だと思える。
一度できた形を維持するだけでなく、切って、増やして、もう一度育てる。
モンステラは、その繰り返しを楽しめる植物でもある。
まだ見たことのない一枚へ
海外の巨大なモンステラに憧れて植物を育て始めた。
最初は、ただ大きな葉と無数の穴が格好いいと思っていた。
それから、斑入り株を育て、マドカズラを切り戻し、茎を伏せ、支柱へ登らせるようになった。
今では、大きな葉だけがモンステラの魅力ではないと思っている。
幼い葉から成熟した葉へ変わる過程。
一枚ごとに違う穴や切れ込み。
開くまで分からない斑の模様。
切り戻した節から動き始める新芽。
どの段階にも、次の姿を待つ時間がある。
思ったより小さな葉が出ることもある。斑が減ることも、葉を傷めることもある。それでも、新しい葉がゆっくりと開き始めると、また期待してしまう。
次は、どんな葉になるのだろう。
これからも大きな一枚を目指しながら、まだ見たことのない一枚を待ち続けたい。
